ホーム > 圧着ハガキ・圧着封筒について > 圧着方法の種類

圧着ハガキ・圧着封筒について

先糊(さきのり)圧着方式

先糊圧着方式とは、用紙全域に特殊な糊(感圧糊)が塗布された専用紙(圧着紙)に印刷・印字し、メールシーラーで圧着加工(高圧プレス)するタイプ。見た目に光沢はないが、低コストで接着力が強く信頼性の高い圧着方式であり、秘匿情報の通知(請求書や各種通知書)などで使用される最もポピュラーな圧着ハガキ。ただし、印刷内容(ベタ塗り印刷など)に一定の制限が必要なため写真等が多用されるようなDMには不向き。

長 所 接着力が強いため秘匿性が強い親展通知に最適
ランニングコストが安いため通知業務の大量生産に最も優れている
開封面に加筆や捺印が可能
レーザープリンタなどで両面に可変データ情報の印刷・印字が可能
メールシーラーが比較的小型で安価
情報漏えい防止・個人情報保護法対策として、自社一環加工が可能(事務所内での印刷及び圧着作業)
短 所 圧着用紙は消費期限がある(一般的には6ヶ月)
予め用紙表面全域に接着剤が塗布されているため光沢がなく、画像の鮮明さは若干劣る
接着力が低下するため印刷内容(印字率など)・印字領域に制限があり、ベタ印刷などを含んだフルカラーDMには不向き
圧着紙の保管状況が悪かったり湿度の大幅な変化により、接着力が低下してしまう場合や、剥離が困難(紙が破れる)になる場合がある
用 途 大量及び中小ロットの親展通知(請求書・領収書・督促状・各種明細など)に最適

後糊(あとのり)圧着方式

後糊圧着方式は、先糊方式と同じく特殊な糊(感圧糊)を使用するタイプであるが、先糊方式とは異なり普通紙に印刷・印字した後に感圧糊を塗布し、メールシーラーで圧着加工(高圧プレス)するタイプ。先糊方式同様に見た目には光沢はないが、印刷した後に糊を塗布するため印刷内容に自由度があり、フルカラーのベタ塗り印刷も可能で写真等が多用されるようなDMにも使用できる。ただし、糊の塗布(コーティング)には大掛かりな最新の設備と高度な技術を要するため、特定業者での大量印刷など以外ではあまり使われていない。

長 所 接着力が強いため秘匿性が強い親展通知に最適
通知業務の大量生産に優れている
開封面に加筆や捺印が可能
レーザープリンタなどで両面に可変データ情報の印刷・印字が可能
糊を塗布する前に印刷するため、印刷内容に制限がなく自由度がある。
短 所 糊塗布後の用紙には消費期限がある(一般的には6ヶ月)
光沢がない
圧着紙の保管状況や湿度の変化により、剥離が困難(紙が破れる)になる場合がある
糊を塗布する非常に大掛かりな最新の設備と高度な技術を要し、高額な設備投資が必要
内製は不向き
用 途 大量ロットの親展通知に最適

フィルム圧着(PP圧着)方式

普通紙に印刷・印字した後、接着面の間に圧着用特殊フィルムを挟んで熱を与えながら圧着加工(熱+高圧プレス)するタイプ。見た目には光沢があり、ラミネートされたような質感を得ることが出来るためフルカラーの写真を多用するDM などで使用されている。ただし、圧着用特殊フィルムを使用するため高コストで接着力が比較的弱いため秘匿情報の通知(請求書や各種通知書)には不向き。

長 所 普通紙の使用可能。但し、フィルムメーカーが推奨する用紙
フィルムを使用するため光沢がある
印刷内容には自由度があり、フルカラーDMなど高画像に最適
窓抜きなどの特殊加工が可能
情報漏えい防止・個人情報保護法対策として、自社一環加工が可能(事務所内での印刷及び圧着作業)
短 所 接着力が比較的弱い擬似接着であるため、秘匿性の高い通知書には不向き
フィルムを使用するため、大量生産ではランニングコストが割高
開封面への加筆や捺印はラミネートしているため不向き
メールシーラーは比較的高価
熱を使って圧着するため、卓上タイプの機器は処理速度が遅い傾向にある
用 途 中小ロットの高画質DMに最適

UVニス圧着方式

普通紙に印刷・印字した後、接着面にUVニスを塗布(UVを照射し乾燥させる)して熱を与えながら圧着加工(熱+高圧プレス)するタイプ。見た目には光沢があり、非常に高級感のある質感を得ることができるためフルカラーの写真を多用するDMなどで使用されている。 また、PP熱圧着方式に比べれば接着力が若干強く、更には、フィルムを使用しないため環境にも優しく、低コストの圧着ハガキ。ただし、設備が大掛かりであり少量多品種の生産には不向きであるため請求書など1枚ごとに掲載情報が異なるような通知書には不向き。

長 所 普通紙の使用可能
ニスコーティングにより光沢がある
フィルムを使用しないため環境に優しい
印刷内容には自由度があり、高画質のフルカラーDMなどに最適
ランニングコストが安く大量生産向き
短 所 接着力が比較的弱い擬似接着であるため、秘匿性の高い通知書には不向き
開封面への加筆や捺印はニスコーティングしているため不向き
コーティングするニスと通常のトナー印刷との相性が悪いためオンデマンドには不向き
ニスを塗布する非常に大掛かりな最新の設備と高度な技術を要し、高額な設備投資が必要
内製は不向き
用 途 大量ロットの高画質DMに最適

 


圧着方式別の特徴比較

先糊圧着方式後糊圧着方式フィルム圧着方式UVニス圧着方式
使用する原紙圧着紙普通紙(※1)普通紙(※1)普通紙(※1)
接着面光沢××
全面ベタ印刷(フルカラーなど)×
少量多品種印刷×
1枚毎の個別情報印刷××
圧着方法圧力圧力熱+圧力UV+熱+圧力
圧着メールコスト××
主な用途・業種大量/少量
情報印刷
大量
情報印刷
少量多品種
高画質
大量
高画質

※1 圧着加工に対する適応性などの一定の条件を満たす推奨された普通紙でなければならない。


 


感圧糊って何?

一般的な感圧糊とは天然ゴム系の環境に優しい糊である。
糊と糊を重なり合わせて強い圧力でプレスすると粘性が発生して接着する優れた特性をもっており、且つ、接着力をプレス力でコントロールできる利点がある。また逆に欠点としては天候や保管環境に影響を受け易く、劣化が早いナイーブな一面がある。この感圧糊を用紙全域に塗布したものを圧着紙又は、圧着ハガキ用紙などと呼び、用紙の周辺部のみに感圧糊を塗布し、完成形が封書になるものをドライシール用紙と呼んでいる。但し、封書に使用されている感圧糊は圧着ハガキ用紙のものとは若干異なり、接着力が強く剥離不能なものである。


  • 消費期限6ヶ月:経過時間に比例し接着力が低下する。
  • 外気に触れると糊が酸化し接着力が大幅に低下する。
  • 紫外線に当てると接着力が大幅に低下する。
  • 湿度が高いと接着力が強くなり、乾燥していると弱くなる。
  • プリンタ(ヒートロール方式)などで高い熱を与えると接着力が若干低下する。
  • 感圧糊の上に印刷(インクやトナーが付着)すると接着力が大幅に低下する。よって、ベタ塗り印刷や印字領域など印刷内容には一定の制限が発生する。